「やらなければいけないことを面白がってやること」
「業務を仕事に」
業務は会社から与えられるもの、仕事は作り出すもの
私たちは皆それぞれに「業務」を抱えている。
「業務」→会社から与えられた仕事内容。
「仕事」→自らの意思で考え出した能動的なもの。
「業務」はその言葉自体にどことなく「無機質」なイメージをもってしまう。
何となく「受動的」ですね。
やらされている感が強いように思う。
1日のうちの三分の一以上を占めているのが「仕事の時間」だ。
この時間がやらされているもので埋め尽くされているとしたら
・・・
少しギョッとしたりもする。
受動的な「業務」を何とか能動的な「仕事」にしたい。
そう感じる人もいると思う。
この「受動的な業務」を「能動的な仕事」
にするために、何か特別な才能が必要なのだろうか?
ここから少し自分の学生時代の話をしようと思う。
私は、当時、世間では名の通った強豪校でバレーをしていた。
新入生は①雑用②基礎トレーニング③壁パス④ボール拾い⑤見学⑥雑用
これが1日の練習メニューだ。(練習時間は平日が4、5時間で休日が10時間前後)
結構きついですよね・・。
合宿所での共同生活だったので、リラックスできる時間は学校の授業中だけだった。
毎日がとても憂鬱でやめたいとも思ったけれど、
バレーやめる=学校もやめることになってしまうし他に居場所がなかったこともあり、続けるしかなかった。
練習メニューのどれもが「サボろうと思えばサボれる」
しかし、ここはさすが伝統校、張り詰めた空気感。
目立ってしまう。ダメだ、サボれない。
今思えば、サボれないような仕組みになっていたようにも思う。
この練習メニューの④「ボール拾い」は、
一般的なそれのイメージとは少し違うかもしれない。
とにかく走って走って走りまくらないと追いつかないのです涙
中でも、「アタック練習」のボールひろいは最悪だ。
左に行ったかと思えば、右、前、後ろ。
どれだけやっても、ボールがなくならない。
もう、本当に嫌だった。
「楽がしたい」と心底思っていた。
ある日「ボールを取りに行って、腰を落として拾い上げる姿勢が一番キツイ」と言うことに気がついた。
「もしボールが転がっていってしまう前に、ワンバウンドでボールをキャッチできれば、しゃがんでボールを拾わなくて済むんじゃない?」
その日を境に、上級生のプレーを見学する際の視点が変わったことは今でも覚えている。
ただ漠然とプレーをながめ、ボールの行く先々を目で追っていたのが、
ボールを追うことはほとんどせずに、ただひたすら
一人一人の動きを観察したのだ。
「○○先輩はアンテナまでのびたトスに対してはストレートよりクロス打ちが好き」「助走のまえの立ち位置や、その角度によってアタックコースを変えている」「ネットに近いときはブロックアウトを狙っている」など、とにかくじっと観察だ。
これを続けながら、ボール拾いで確認もしてみた。
自分でコース予想を立てて、あらかじめ動いてみる。
ワンバウンドでキャッチ。
次も・・キャッチ。
おお!できるじゃないか!!
「よしオッケー」
「あれ?逆だったか」
「あと一歩なのに」
私はボール拾いに夢中になっていた。
当時は「少しでも楽がしたい!」と思っただけだ。
どうしたら「楽ができるか」を考え、それを実行してみただけで、
それ以外の何か特別なことはなかったと思う。
「腰を落としてボールを拾う」回数が減ったのは言うまでもない。
それよりも何よりも、私が嬉しかったのは
あの苦痛に満ちたボール拾いを
「楽しい!」と心底思えるようになったことだった。
ボールに振り回されない自分
自分の工夫した点が、見事にはまっていくあの感覚
「イヤだな」と思う時間が減って行く実感
これが最高だった。
最高に嬉しくて面白くて、もうたまらなかった。
後になって「これはボール拾いをしまくったおかげ」と言うことも!
アタックコースを読める。(が人生の役には立ってない)
この時以来、自分では「やらなければいけないこと」「つまらないこと」を
何とか工夫して「面白く」感じられるようにしたいと考えるようになった。
これってスポーツだから出来たことなんだろうか。
「業務」=「たまらなく嫌で振り回されていたボール拾い」
「仕事」=「楽をしたいが為に考え工夫したボール拾い」
としてみよう。
「業務」が会社から与えられた仕事内容であるのに対して「仕事」は目標達成をするために自らの意思で行う行動。
同じことが言えないだろうか?
業務をこなせば給与は支払われるけれど指示通りに業務を遂行するだけでは「仕事をした」と言えないのかも。
全ての仕事は、何かを創造したり建設したりする「クリエイティブな要素」を含んでいると思う。
受動的な「業務」を能動的な「仕事」に変える過程で
どんどん前のめりになっていく自分に気づいていく。
「やらなければいけないことを面白がってやること」のベースは
「しまくること」ではないだろうか。
今の私にとって
「ブログを使って発信すること」はまだ「業務」でしかない。
「仕事」のレベルに上げる為には「面白がってやること」が必要だ。
「アップしまくる」しかないのかしらん。