感想紹介「仕事をゲーム化し、そのゲームの達人となる!」by川瀬先生

みなさんお久しぶりです。佐野です。

だいぶ時間が経ってしまいましたが、9月に書いた僕の投稿に対し、

森口先生に続き、川瀬先生が感想を書いてくれたので紹介したいと思います。

僕のブログ内容はこの記事です。

「仕事をゲーム化し、そのゲームの達人になる!」 - 立志の幹部ブログ

 

以下、川瀬先生から頂いた感想の文章です。

 

はじめに

先日の佐野先生超大作のブログを読んで考えたことを書きます。
「仕事をゲーム化し、そのゲームの達人となる!」という話でした。内容は非常に納得性の高いもので、過去の仕事の仕方を思い出したら、私も無意識にしていたような気もします。
このように文章で端的に説明をされると自分の中だけにあって形にもなっていないようなものが、一気に鮮明に形どられた感覚となりました。「そう!そう!それそれ!分かってくれてありがとう!!」と伝えたい気分です。

 

GKマネージャー時代の反省点

私は2年前ぐらいまで京都市内学印でマネージャー業務として社員に業務の指示を出していたのですが、うまくいかないことばかりで頭を悩ませる日々でした。
今回このブログを読んで指示が通り辛かった理由の一つが分かった気がしました。社員一人ひとりが業務を遂行し易くなるために必要な仮説が足りておらず①気づき、②観察・分析、仮説、③アクションの変化、④仮説の検証→確信へと変わるといった業務改善に必要なプロセスをすっ飛ばして、ブログでいう『⑤アクションの強化&練度の向上』のみに基づいた指示になっていたように思います。

私の業務にも、このプロセスがある。

少し話は変わりますが、私は中学3年生が高校受験を終え高校生になっても塾に続けて通ってもらう率を高く出すことが得意です。(いわゆる『高1継続』ってやつです。)。私は、これまでの塾経験において新人1年目から60%を切ったことがありません。新人の頃は上司の指示を徹底的に守っていただけなのですが、積み重ねていくうちに自分なりの考えややり方を身に付けました。所謂、「守・破・離」というやつです。ブログのプロセスに沿って説明していきます。

①発見・気付き(自教室の生徒の実態に対する気づき)
前職で自分がまだ現場で教室長をしていた頃のこと。自教室の生徒達へ指導に対して、高校受験で合格するために一生懸命勉強して努力することは素晴らしいことだが、果たして合格するだけでいいのだろうかと考えるようになりました。高校生の塾生には、一旦塾を辞めた生徒で、高校の勉強についていけなくて復塾する生徒がいたり、高校の途中から入塾する生徒がいます。高校の途中から個別指導の塾を選択する生徒の多くは、本当に手のつけられない程にボロボロな成績の生徒がほとんどです。そのため、前学期、前学年の取りこぼしを回収することに時間を取られ、希望の大学に行かしてあげられないこともしばしばありました。塾として指導力がないと言われたらその通りですが、「もっと早くから塾に入って勉強してくれていれば」、という思いも拭えませんでした。

②細かく観察→分析→仮設を立てる(今後の生徒の人生に起きることの予測)
そこで、高校受験・大学受験のことを勉強したり、生徒たちの気持ちや動きを観察してみました。塾に通うとき、小中学生は保護者発信、高校生は自分発信です。高校生が「このままの成績じゃまずいな」と思うとき、残念なことに「本当に取り返しのつかない成績」になっていることがほとんどです。上記の状態にならないためには、

(1)「高校の授業の特性」、「勉強内容」、「大学受験の情報」を前もって入手すること。

(2)高校段階早期に第酷い成績になる前に何らかの手を加えられる環境を作ること。

(3)中学生の間に基礎学力を可能な限りつけること。

高校に合格することが目標ではなく、高校で◯位にいたいなら〜、◯◯大学に行きたいなら〜、高校の入試問題では◯点取ることが必要だという考えが強くなっていきました。生徒の進路を、大きなストーリーで考え、逆算するようになったのはこの頃です。


③アクションを変えてみる(面談内容の変化・提案の根拠の提示)
現在塾に通ってくれている中学生には、「高校生になったときの自分のイメージ」が明確になるよう声かけしていきました。

  • 高校での成績はどの位置にいたいのか。
  • 部活は本格的にやるのか、そうでないのか。
  • 卒業後の進路は進学か就職か、進学の場合は大学か、専門学校か。
  • 大学の場合はどのレベルぐらいの大学に行きたいのか。
  • 入試区分はどうするか。

など、しつこいぐらいに質問をして、生徒にも保護者にも高校入学後のセルフイメージをもってもらうように努めました。保護者生徒ともに「今、そんなこと聞かせても高校生のことは高校に行ってみないと分からない」と言われることも多々ありましたが、めげずに毎回の面談で繰り返し質問していけば、高校入学後の具体的な生活や進路を考えてくれるようになり、面談が生徒の将来を話す会のようになりとても楽しい時間となっていました。高校合格が最大の目標ではなく、自分の将来を見据え、どのような順路を進んでいくか、そのための高校選び、高校での成績の取り方を考えていきました。そうすると不思議なことに「高校でも1年から勉強頑張らないと」という気になるのです。

※佐野:この行為は超重要で、「塾の先生」という枠に収まらない、生徒の人生のメンターになっていると思います。我々は、「生徒の人生には責任が持てない」が、「少しでも現状を変化させ、より良い人生を歩んでいくために必要な考え方や行動基準を、受験を通して体験させること」ができる。これこそが、サービスを通した「価値提供の場」になります。

④仮説の検証→確信へと変わる
高校受験が終わっても勉強し続けた生徒は、どの高校に通っていても高1の1学期から成績が良く、進路情報収集や受験に向けた勉強を早くから始めていました。志望校が早く決まれば、それだけ早くから受験勉強に取り掛かれます。中学のときはオール3だった生徒が一般入試で立命館大学に合格することも可能ですし、偏差値40もない高校に行って産近甲龍佛の指定校をもらう生徒もいました。早期着手で生徒の可能性は広がります。教室長としては何にも変え難い喜びなのではないでしょうか!また、これらの生徒への指導を通して、「この学力層からも中堅大学〜難関大へアクセス可能なんだ」という私の認識や経験値が副産物として手にすることになりました。(当然のことながら、その後の生徒への指導にこの経験が役に立ち、また、私自身への「これ位なら受からせられる」といった想像力にも変化が起こりました。この私自身の変化により、自分が抱えられる生徒数が大幅に変化しました。)

※佐野:これは、「セレンディピティ」といって、目的達成のために遮二無二打ち込んでいくと、その過程で本来の目的とは異なった成果物・副産物を手にすることを言いますが、我々は、生徒の成績向上と、最高の進路実現のカタチを追い求めることで、「それを成し得る指導力」と共に、「自分の認識そのものが変容してしまう体験」を手にします。だからこそ、純粋に「より良い」を求めて、業務に挑んで欲しいものです。

⑤アクションの強化&練度の向上
④の経験から、私は、中学生(2年次から3年次の冬かけて)に「高校入学後のビジョンを持たせて入学させる」ということを軸に各種指導場面(授業・補習・自習・質問対応・面談など)いました。そのために、なるべく早い段階から(最善策は小学生からで、早すぎのようにも感じますが、真剣に考えてくれる保護者も沢山いました。)勉強させて、近い将来から大人になっていく段階の話をして、いつの時期に何のテーマで語りかけるのか見極め、その計画に則り適切に実施することで、高校受験終了後、高1継続に強引に誘導しなくても、自然な流れで高校生になっても塾を続けてくれます。

※佐野:It's automatic!!!最前の限りを尽くした行動の先には、殆どの指導が上手くいくようになる分岐点が訪れます。自分の中に、生徒・保護者・現場の全てに対して「見えている状態」という感覚が宿ります。僕自身、この感覚を手にするまで、7~8年かかりました。「私、失敗しないので。」のドクターXのフリーランス天才外科医の 大門未知子のような状態です。

「事実を積み上げること」「誠実であること」=「良い数字」

このような流れで私は中学生への接し方、誘導の仕方を学んでいきました。私は社内で「数字が好きな川瀬」という印象があるみたいです。全くもってその通りなので一切否定はしませんが、誤解があるかもしれないので、一応伝えておきます。

 

私はただ「高1継続60%」とか「生徒数昨対プラス◯名」という結果や実績が好きなわけではありません。この数字だけ見ても、もしかしたら、「保護者生徒にその場限りの詐欺まがいの提案で売りつけた可能性」も想像されてしまうかもしれませんし、この商売(学習塾)では起き得てしまうことだとも思います。しかし、事前に生徒・保護者に情報を提示し、生徒の目標を達成していくために必要な提案を行っていけば、上記のようなことは減らすことができます。私は、誠実かつ効果的に成果を出していくことを大切にしています。私の中では、それを「良い数字」と呼んでいます。

数値が高いことを「良い」と言っているのではなく、「良い状態により生み出された数字」という意味です。評価されるに値する数字かは分かりません。私はこの数字を作り出す過程に興味があります。保護者に「塾に入れ」と言われて、(なんとなく)入会した生徒が中学卒業時には、明確な目標を持ち「高校でも塾に通いたい」と自分の意志を持ち、通塾してくれたらめっちゃ嬉しい!みたいな感じです。自分にとって数字とは前述の意味合いが強かったため、「数字が好きな川瀬」と言われても嫌な気はせず納得していました。が、嫌味で言われてきたのではないか?ここ最近なんとなく思うことがあったので補足説明させてもらいました。

※佐野:組織において、「やり抜く人」が多く受ける誤解ですね。僕も散々あったので、今は何とも思わなくなりましたが、川瀬先生の言う、「良い数字」という感覚は非常に大切です。現状をぶち破っていくためには、飽くなき自己否定としての、業務改善のプロセスが必要不可欠です。本来的には悪い意味ですが、業務改善への強い「こだわり」が一つ一つの事実を作り上げ、結果的にファクトベースな業務の在り方が生まれてきます。「自習来校率」一つ取っても、ただ自習にきている生徒をカウントしていては意味なんてありません。すぐに「教室にサボれる雰囲気」が充満し「腐敗臭」を放つ様になり、結果として、紹介等の問い合わせが減少します。補習呼び出しにしろ、自習内容の提示にせよ、この安易な数字の追求の仕方を回避するための「組織的施策」であることをここで触れておきます。

「良い数字」超大事。

振り返ることで生まれた自身の反省点

「数字が好き」を嫌味とも気付づかないほど鈍感で言葉足らずな私は「社員みんながこんな感じにできればいいじゃん!」と、社員に指示を出し、諸々をすっ飛ばした⑤の内容のみにフォーカスを当てて指示してしまっていました。

社員の思いに対して、①気づき、②観察・分析・仮説ができていなかったため、

  • 『勉強させること=講習会や通常授業講座などの売上をあげろ』
  • 『将来の話をすること=面談内容を勝手に決められる』

といった変換をされても仕方がないと今なら理解できます。
「仕事をゲーム化し、そのゲームの達人となる」ことは、きっと①~④が仕事の醍醐味且つ楽しいところで、⑤は修行やレベルアップのような側面をもっているように思います。

仕事は誰かのためになること、ハッピーにすること、であって、それは本来とても楽しいことです。何も考えず⑤ばかりやっても苦行のようなものになってしまうのですね。
先日のブログにて「建設的に飽くなき自己否定を」と書いてありました。自己否定するならば、上記①で記載した私の推しが弱く勉強をさせてあげられなかった生徒・合格させてあげられなかった生徒がたくさんいます。私のマネジメントが拙かったばっかりに嫌な思いをした社員もきっと多いです。
みなさん、ごめんなさい!!!!

そういった人たちのことは決して忘れずに精進していきますので、お許しください。しばらくは教室長として働くことはないですが、ビーパル・学印に通ってくれている約1,000人の生徒、そのご家族の生活がより良くハッピーになるよう、自分の経験や成功体験を丁寧に順序立てて、社員が行動に移しやすいように伝えていく努力をする時期に入って来ているのだなと改めて感じました。①から④をゲーム化して楽しく、そして、⑤を追求することで一人ひとりの社員の生産性の向上と、私に起きた「自己認識のアップデート」が増えていったら、もっとたくさんの生徒を幸せにできることが想像できます。みんなでそんな状態の実現に向かっていきたいと思いました。

佐野から

今回、自発的に書いて頂いた内容を社内で紹介するために、ブログへの転載を快諾して頂き、本当に有り難うございました。

また、社員の皆さんにとってはどの様に感じましたか?

このプロセスを「業務水準を上げようとする時」に活用してみてください。

そして、近日中にまた、新たな業務の考え方・捉え方・行動の起こし方について紹介します。

一つ恐ろしいことをお伝えしますが、幹部ブログは、幹部の考えを紹介する「ブログ」なんてものではありません。教室が離れているからこそ難しい「社員育成」を目的とした「業務の観点の説明の場」なのです。

つまり、本ブログで提示したことは具体的な業務命令ではないものの「行動指針」や「考え方の基準」の業務伝達をしているのです。

北近畿において、圧倒的No.1教育企業になること、10年後も、20年後も、僕らが働いていく限り、地域の教育に価値を提供し続ける企業になること、そして、そこで働く社員のみなさんの幸福の実現に繋がる待遇の確保のために、「文章を的確に読み、書くことができる」力を身に付けてください。

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最後に、マザーテレサの言葉を紹介します。

Be careful of your thoughts, for your thoughts become your words.
Be careful of your words, for your words become your deeds.
Be careful of your deeds, for your deeds become your habits.
Be careful of your habits for your habits become your character.
Be careful of your character, for your character becomes your destiny.

 

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

思考と言葉が全てに影響します。

社会人になり17年が経ちますが、この2つがいい加減な人は、総じてポンコツでした。逆に、仕事ができる人、収入が高い人、信頼される人、モテる人、何でもいいですが「プラスな結果」を出していく人は上記3段目(行動)まで出来ている人が殆どです。

これはそんなに難しいことじゃありません。

なぜなら、「良い数字」を意識して行動すればいいからです。

社内にこの「良い数字」をいう概念が根付くことを願い、筆を置くこととします。

 

文責:佐野