See you next week.         

                             橋垣です。

 

 長年の塾講師をしている中で気づいた経験則のひとつに、「次週の授業で生徒にまた会えることが楽しみになると、その担当しているクラス、教室の生徒数が増えていく」というのがあります。この生徒たち、クラスにまた次週、会いたいと思えてくること、そういう心持ちになって、授業ができるようになると、不思議と生徒が増えてくる。入社して、1年目に担当した峰山教室の高1数学のクラス、高龍教室の中学生、豊岡から戻ってきて担当した野田川の中3と高1、10年前に舞鶴から帰ってきた年の宮津教室の高校生、3年前の豊岡教室の高2英語のクラスなど、思いつくクラスがあります。一斉授業だけでなく、2年前のBP豊岡南の個別指導で木曜日に担当した中2や高1の生徒も「また会いたい」とこちらが思えるメンバーでした。最初の峰山教室の高1は、ビギナーの楽しみ、面白さといった感じで、自分も勉強していくことで、次回の授業でこんなことを言ってみよう、やってみよう、工夫していくこと自体が面白くなっていた。しかし、今、思うとひどい授業をしていたと思います。

 3年前の豊岡教室の高2英語は、授業に前向きに取り組む数名の男子がいて、その友人つながりで生徒が何人か増えました。ライバル塾からの移籍も2名ほどありました。

 セッションという言葉がありますが、その言葉の使われ方としては、大きく区分すると、以下のようなものがあるようです。

①ジャズなどで、演奏者が自由に集まって即興的な演奏を行うジャムセッション

②議会、会議、また学校などの授業が行われること。その会期や期間の区切り。

③コンピューターネットワークにおいての、サーバーや通信機器間で接続が開始されてから、終了するまでの一連の通信。

 文字通り、私がここで使うセッションの意味は授業のことになるのですが、あえてセッションと記したいのは特に立志の集団授業は講師、生徒が積極的に参加することで、一体感のある場、その場の持つ熱、温度感、自己の可能性に気づく場所とでもいえばいいのでしょうか、そういったライブ感のあるものだと思うのです。生徒が受け身でノートをとっているだけの授業ではなく、むしろ、ジャズのジャムセッションに近いイメージです。みんな「俺が俺が」みたいに自己主張しながら熱くなっていく、ポジティブに物事に取り組む場。また会いたいと思えるクラス、授業には大なり小なりセッション感があります。

 では、また会いたいと思えるクラスにするには、どうすればいいか?月並みですが、まずは、講師、社員自体が生徒に興味関心を持つこと。生徒を好きになること。授業や授業準備に熱中すること。予定調和的でなく、場の持つ力をひきだすこと。私がこころがけていたのは、ポジティヴセンサーになる。できたことを認めて、褒める。実に単純なことでした。

 また、授業をしていく上で気を付けておかねばならないのは、客観的にみているもう一人の自分を持つということです。授業のなかでやってしまっている「失敗」に気づく自分を持つということ。成功例ばかり書いていますが、私が40歳くらいの頃、自分がメインとする教科の高2英語で、膨大な量の板書を綿密にする授業してしまったのですが、90分でこれだけの情報量を提示できる授業はすごい、勝手に自己満足に陥ってしまったことがありました。2学期の頭ぐらいに複数名の生徒から退会や教科変更(英語をやめたい)という事態に陥ってしまいました。ただ板書しているだけの授業になっていたようです。その数年前に担当していた高2文系数学では、「学校の授業よりよくわかる」「こんなわかりやすい授業は初めてうけた」皮肉なことに、不得手としていた数学の授業の方が評判がよかったのです。

 まさに慢心が招いた結果でした。生徒のちょっとした表情や言葉から、違和感に気づき、フィードバックして授業を修正していく力も必要だと思います。

 ビギナーにとってのセッション、中級者にとってのセッション、ベテランにとってのセッション、それぞれ形はかわるものの、基本は同じ、参加しているものが楽しくなること。また授業を受けたいと生徒が思えるものであること。

 また会いたい、また受けたいと思える授業を立志の各メンバーがプロデュースしたり、実際に行えれば、立志の理念「変化を生み出し、成長の感動をメイキングする」ことの実現に近づける気がしてなりません。